Gymicrae/Execution Of Karma
90年代後半?にイーストベイ北部で活動していたエモ/メロディックパンクバンド、2枚単独音源があるっぽいんだけど、その内の一枚。
なにせググっても全然情報が出てこない!
出会いはDisillusiond Recordsという聞いたことのないレーベルのオムニバス(関係ないけどScrew Kittenというバンドも収録されていてそっちもかっこいい)にて。
こんなのからよくぞ発掘したなって自分を褒めてあげたい。
そのオムニバスにも提供しているWinterはこちらに収録されている。
音はSamiamの上澄みとFifteenを掛け合わせたような感じ。
とか書くとさもすごい隠れた良バンドっぽいけど、便宜上そうしただけで実際には遠く及ばない。
このバンドがすごいのはSamiam〜Knapsack路線のエモパートから、サビでザクザクギターとドカドカドラムのFifteenになるところ。
やっぱりこの無茶さはベイエリアのバンドならではだろうと勝手に解釈。
挙げたバンドが純粋に好きな人には響かないと思うけど、Cadillac BlindsideやJimmy Eat Worldの極初期みたいなショボいのが好きなら悪くないかも。
ただ、まず見つからないと思う。
Nuisance/Ⅱ
イーストベイのメロディックパンクバンドのVery smallからリリースされた2ndシングル。
最近1stアルバムリリースから30周年の記念?でリイシューされたようだけど、そっちは持っていないので。
Things That Ate Floyd参加時はパッとしないイーストベイのポップパンクバンドだったのが、以降グランジー化していき、1stアルバム時にはFugazi〜FuelをベースにNirvanaとの合体という、Nirvana知らない自分の印象論。
2ndアルバムはそこからJawbreakerに寄っていったような感じ。
同時代、同じ方向性のMonsulaやScherzoに比べると間違いなく有名なオムニバスに参加、且つLookout〜Verysmall〜Kirbdogと間口広く、通好みなレーベルを渡り歩いている割に、グランジっぽさが求められていなかったのか、はたまた華のないメロディのせいか話題にあがることはまずない。
気だるいボーカルとパンクっぽくないギターは悪くないとは思うんだけど。
このシングルA面のHarvest Timeは後に1stアルバムの最後の曲にも採用されていて長尺だけどかなりかっこいいと思うので超おすすめ。
何年か前は格安であちこちで見た記憶があるけど最近はネットでも見なくなってきたので、気になる方はリイシュー盤からぜひ。
Trepan Nation/Banish Gods From Skies And Capitalists From Earth
シカゴのメロディックハードコアバンド、97年発唯一のアルバム。
Dillinger FourがDon't Miss The Trainやってるみたいな、ハイテンションメロディックハードコアで、ちょくちょくScreaching Weaselを思わせる単音ギターも飛び出す。
ダミ声ボーカルがガンガンに飛ばす割に、ちょこちょこ泣きのメロディが出てくるのがなんといっても素晴らしい。
その辺やっぱりシカゴのDNAなんだろうと思う。
おすすめな一曲は中盤近くすごく短いんだけど、唯一ミドルテンポで泣かせにくるA Short Song〜。
ミドルテンポの曲とギターがよく合うので、もう何曲かこの手の曲を入れてて欲しかったのは個人的な意見。
あとB面はとにかく泣けるギターソロが多い。
17曲入っててお腹いっぱいのボリュームながら、飽きさせないベリーグッドアルバム。
D4〜Plow United、Digger〜splitで一緒だったAmbition MissionやCanadian Rifleあたり好きな人まで是非って感じ。
Jill//True Zero/split
テキサスのJillと、ニュージャージーのTrue ZeroによるCoolidgeリリースのGreendayフォロワーSplit。
単独シングルもしょぼくてナイスなJillだけど、このSplitのキモはなんといってもTrue Zero。
Greenday、Screeching Weaselをベースに、Walker〜SickoさらにはPrasitesあたりの青く切ないポップパンクフレーバーを足したしょぼーい音がベリーグッド。
また全編に詰まった単音ギターリフ、ソロや、しょぼいコーラスが頑張っていたり、前に挙げたDryrotが好きな人にはグッとくるはず。
音源はこのほかに単独テープと、オムニバス数枚参加の模様。
どう考えても万人受けはないけど、USローカルポップパンク〜Skimmer、Horace Goes SkiingあたりのチープなUKメロディック好きな人もイケるんじゃないかとは思う。
Fourth Grade Nothing/Jack Frost
テキサスはオースティンのメロディックパンクバンド、多分唯一の、そして解散記念?のシングル。
前がGomezというしょーもない経歴と、この後がPop Unknownという輝かしい未来のメンバーに挟まれながら、ここではGreendayとWalkerを足してGamefaceで割ったみたいな、青臭いメロディで聴かせる。
たった3曲、うち一曲はインスト。
ちょっとモサいサバーバンな感じながら、切な気なメロディと泣きのギターがいい仕事をしている。とくにB面の2曲。
サンクスリストにはBlueprintやBadger、Well Fed SmileなどB級たる面子が名を連ねる。
正直これ以上書くことはないけど、90年代後半のUSローカルメロディックパンクが好きなら絶対いける好盤。
Lil' Runt/Goodbye Burrito Bridge
Blatz、FleshiesのEggplantがギターで所属した、ガールボーカルメロディックパンクバンド、2006年発唯一の音源。
Miami〜Allergic To Bullshit、Ambition MissionそしてやっぱりThis Is My Fistラインの超正統派イーストベイスタイル。
ぶちぶちにクランチした録音に、Eggplantのギラついたギターと少年声のガールボーカルがよろしくやってる。
これといってハッとするような展開はないし、全体的にガタガタなんだけどそこが愛らしい感じ。
Left Off The Dialはこの後Black Rainbowのシングルを出して止まってるみたいだけど、00年代イーストベイど真ん中で、この辺の音が好きな人ならレーベル買いでも外さない好レーベル。
Fuel/Monuments To Excess
イーストベイパンク定番中の定番、Fuelの唯一のアルバム。
最近CD版を手に入れて聴き直したらあまりにかっこいいので。
初めて聴いたのはもう10何年か前にEbullition盤を捨て値で入手した時。
その前からPinehead GunpowderのMike Kirschボーカル曲が好きだったり、Spray Paintがカバーしてたり、自分にとっては何とも思い入れがある。
不穏なディスコードギターとメロディックなフレーズが行ったり来たり、バキバキブリブリのベース、硬質的なドラム、そしてやっぱりMike Kirschの雄叫び。
個人的には複雑な展開ながらじわりじわりとテンションを上げに来るCue To YouとNot Up For Saleが大好き。
シングルとsplitも持ってるけど、アルバムが流れも含めて最高。と改めて思った令和最初の年の瀬。